東京都が新たに導入を進めている「アフォーダブル住宅」は、家賃高騰が続く都心部で「無理なく住める」住まいを実現するための新制度です。
野村不動産など民間企業と東京都が連携し、官民一体で相場よりも安い家賃の住宅を供給するこの仕組みは、子育て世帯や中間所得層にとって大きな支援となります。
本記事では、アフォーダブル住宅の定義や仕組み、対象者、年収制限、申し込み方法までを詳しく解説。都心での住まい探しに新しい選択肢を求める方は、ぜひ参考にしてください。
アフォーダブル住宅とは?東京都が始めた“手ごろな家賃で住める新制度”
東京都が推進するアフォーダブル住宅とは、文字通り「手ごろに住める住宅」という意味を持ちます。
英語の affordable(支払える・無理のない)に由来し、一般的な賃貸住宅よりも家賃が相場より低く設定されていることが特徴です。
これは、主に中間所得層や子育て世帯、ひとり親家庭などが安心して生活できる住環境を整備することを目的とした政策です。
東京都内では住宅価格や家賃の高騰が続き、共働き世帯でさえ都心部での住まい確保が難しい状況です。
こうした「住宅の手の届きにくさ(ハウジング・アフォーダビリティ)」が、結婚・出産をためらう要因のひとつとも指摘されています。
東京都はこの問題を深刻に受け止め、“住みたい場所に、無理なく住める都市”を目指す取り組みとしてアフォーダブル住宅制度を打ち出しました。
この制度の最大の特徴は、公的支援と民間の力を組み合わせた仕組みにあります。
従来のように都が直接住宅を建設・運営するのではなく、民間事業者のノウハウや資金を活用する点が大きな転換です。
東京都は、2024年3月に「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」を創設しました。
その後、2025年11月に運営事業者の候補として、野村不動産など4つの企業グループを選定したと発表しています(日本経済新聞 2025年11月8日朝刊)。
これにより、都心部でも家賃を抑えた住宅供給がいよいよ本格化すると見られています。
また、アフォーダブル住宅は新築だけを対象としていません。
東京都は中古住宅や既存の賃貸物件をリノベーションして再活用する方針を打ち出しており、これが制度のもう一つの革新点です。
土地の確保が難しい都心では、新築よりも中古ストックを再生して供給するほうが効率的であり、中古流通市場の活性化にもつながります。
このように、アフォーダブル住宅は単なる「低所得者向けの住宅」ではなく、都市の資産を循環させる新しい住宅モデルです。
家賃の高騰という社会問題を解決しながら、空き家再生・地域経済の活性化・中間所得層の生活安定という複数の課題を一度に解決する。
つまり、東京都のアフォーダブル住宅は、“都市の未来を支える住宅政策”と言っても過言ではありません。
アフォーダブル住宅 東京都の仕組みと最新動向
(資金出資・制度設計)
住宅供給促進ファンド
(2024年3月創設)
(野村不動産等)
(新築・中古活用)
(中間所得層・子育て世帯)
東京都が進めるアフォーダブル住宅の仕組みは、従来の「公営住宅」や「住宅補助制度」とは一線を画す新しい官民連携モデルです。
単に行政が住宅を建設するのではなく、民間事業者の投資やノウハウを組み合わせて、持続的に家賃を抑えた住宅を供給する点が最大の特徴です。
この仕組みの中心となるのが、2024年3月に創設され、2025年度から本格始動する「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」です。
東京都と民間企業が共同で資金を出し合い、その資金を活用して対象となる賃貸住宅を取得・改修し、入居者に相場よりも低い家賃で提供します。
東京都が一定の出資を行うことで投資リスクを下げ、民間企業が長期的に安定した運用を行えるように設計されています。
さらにこのファンドでは、新築物件だけでなく中古や既存住宅も投資対象に含まれ、老朽化物件をリノベーションして再生することで、空き家問題の解消や地域再生にもつながります。
これは、東京都が掲げる「都市のストック活用型まちづくり」にも合致しており、住宅政策と都市計画を一体化した取り組みといえるでしょう。
東京都は2026年度から約300戸のアフォーダブル住宅の供給を開始する予定で、今後段階的に供給戸数を拡大していく方針です。
アフォーダブル住宅の対象者・年収制限・申し込み方法
アフォーダブル住宅は、東京都が中心となって推進する「官民連携住宅政策」の一環であり、特に中間所得層や子育て世帯、ひとり親家庭を主な対象としています。
住宅価格の高騰が続く都心部では、共働き世帯であっても家賃負担が重く、十分な広さの住まいを確保することが難しい状況が続いています。
この制度は、そうした世帯に対して相場より低い賃料で良質な住宅を提供することを目的としています。
現時点で東京都が想定している対象層は、年収600万〜900万円前後の中間所得層が中心とされています。
これは、公営住宅の入居基準を超えながらも、民間賃貸住宅では家賃負担が重くなる層にあたります。
家賃水準については、東京都の発表では「中間所得層が無理なく入居できる賃料帯を想定」とされています。
報道各社や関係資料によれば、家賃は周辺相場より20〜25%程度低い水準を目安に調整が進められているとみられます。
今後は、子育て世帯や高齢者、ひとり親家庭など、生活支援を必要とする世帯への優先枠が検討される可能性もあります。
| 世帯区分 | 想定年収 | 家賃目安(想定) | 対象例 |
|---|---|---|---|
| 中間所得層 | 600万〜900万円 | 月10万〜13万円 | 共働き世帯・子育て世帯 |
| 低中所得層 | 400万〜600万円 | 月7万〜10万円 | ひとり親世帯・若年夫婦 |
| 高齢者層 | 年金+α | 月6万〜8万円 | 高齢単身・夫婦のみ世帯 |
※表内の年収・家賃水準は、東京都住宅政策本部および国土交通省の公表資料、報道各社の分析を基にした推定値です。
※正式な賃料基準や対象条件は、東京都による制度詳細発表時(2026年度予定)に公表される見込みです。
申し込み方法については、2026年度からの本格運用を予定しており、東京都と民間事業者が連携して供給する賃貸物件を対象に、入居募集が行われる見込みです。
具体的な申込期間や選定基準、必要書類などは今後東京都住宅政策本部から発表される予定です。
現段階では、東京都住宅政策本部の公式サイトや報道発表資料を定期的に確認しておくことが重要です。
また、アフォーダブル住宅の供給にあたっては、既存の空き家や中古住宅を活用した再生プロジェクトも検討されています。
これにより、新築だけでなく既存ストックの活用を通じて供給を増やす狙いがあり、東京都の住宅市場全体の安定化にも寄与することが期待されています。
このように、アフォーダブル住宅は、単なる「安い家賃の住宅」ではなく、都市部における新しい社会インフラの一部としての役割を担っています。
住宅確保に課題を抱える中間層や子育て世帯にとって、今後の制度詳細の発表は大きな関心事となるでしょう。
まとめ
アフォーダブル住宅は、東京都が官民連携で推進する「家賃を抑えた新しい住宅制度」です。
単なる補助制度ではなく、民間の資金とノウハウを活かすことで、都心でも手ごろな家賃で安心して暮らせる住宅を増やす取り組みとなっています。
特に、中間所得層・子育て世帯・ひとり親家庭などを対象にしており、今後は供給の拡大が期待されています。
東京都内で新しい住まいを探す際は、この制度に注目することで、より現実的で質の高い暮らしを実現できるでしょう。
制度の本格始動に期待し、今後の動向に注目していきましょう。
【参考・出典】
・東京都産業労働局「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/gfct/initiatives/green-finance/affordable-fund
・東京都住宅政策本部 公式サイト
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/
・日本経済新聞「都、割安住宅300戸供給 26年度から野村不など選定発表」
(2025年11月8日朝刊)
・国土交通省 住宅局
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/

